発達障害診断を受けたい人へ 障害者として生きていく覚悟ある?

 今月二度目の記事更新です。世間では新型コロナの感染者がやばいくらいに増え始めてますね。しかも変異型コロナウイルスが日本国内に入ってしまったとか。とんでもない事態になってますね。春にはワクチンが来るといいますが、反ワクチン派があの手この手で妨害してきそうなので実際に行き渡るまで自分としては悲観したままです。

 

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さて、本題に移りましょう。最近、発達障害と診断される大人が増えているようですね。私も当事者なので、この傾向には重大な関心を持っています。実際、私の知り合いにも成人してから診断を受けた人がいます。しかし、私がそういった人と決定的に違うのは、幼い時に障害診断を受けているということです。

 

 幼い時に発達障害診断を受けた人と、大人になってから発達障害と診断された人では、歩む人生も見えている世界も、絶望的なまでに異なります。例えば、幼い時に発達障害診断を受けると、高確率で特別支援学級(いわゆる「ひまわり学級」や「なかよし学級)にぶち込まれます。そのため、健常者との関わりが乏しく、大人になってからいまいち空気が読めない人になります。一方、大人になってから発達障害を受けた者は、その後支援などを受けて難なく立ち直っていくケースが多いです。

 

 さらに、大人になってから発達障害診断を受けた人は、同族たちである重度の知的障害者がどんな感じかを知らない場合が多いです。まあ世の中の大半の人は知らないと思います。特殊学級を経験した私から言わせてもらうと、Syamuさんやたれぞうでも知的障害の中では十分に軽いレベルです。皆はあの人たちを、知的障害の代表例として扱いますが、私に言わせれば「甘い甘い」です。

 

 それでは、本当の障害者がどういうものか、見てみましょう。

 

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 いかがでしょうか?重度の知的障害者を見たことがない方にはなかなかショッキングだったかもしれません。これに比べたら、Syamuさんやたれぞうなんてほぼほぼ健常者だと思えませんか?都会に住んでいる人だと、電車内で車掌の物まねをしたりする知的障害者を見たことがある人もいるでしょう。しかし、車掌の言うことをリピート出来る時点で中度~軽度程度なのです。(いやむしろこの時のリピート能力だと健常者の凡人を上回っている場合も多いです)

 

 皆さんは、そういった重度知的障害者と自分が暮らす、あるいは世話をすることになったらどう思いますか?喜んで暮らそうという人はマザーテレサレベルの聖人でしょう。世話をするにしても、仕事として報酬がもらえるならやってもいいという人はいるかもしれません。実際に特別支援学校の教員等はそうして志望しているのでしょうから。しかし、無償で、それも何日、いえ何カ月、いえ何年も世話をしなくてはいけないとなった場合、どうでしょうか?もうほとんどの人が手を挙げないと思います。

 

 私は、子どもの頃は上の動画に映っているような障害者と同じクラスで生活しました。つまり、発達障害と診断された」ということは、世間的には上の動画の障害者達と同類と見られるのです。発達障害診断を受けたい大人、あるいは発達障害と診断されて喜んでいる人たちには、そのことをしっかりと認識していただきたい。

 

 そしてこの際だから言ってしまいますが、4年前の津久井やまゆり園で起きた惨劇は、単純に「植松が差別主義者だった」で片づけられる問題ではないのです。彼が働いていたような介護系の仕事の給料は、著しく低いのです。何でも月収12万いくかいかないか位だそうです。それでいて、世話をするのは上の動画の障害者や、さらに重い知的障害者の世話をしなければならない。

 アルバイトならまだしも、意思疎通が不可能で凄い力で子供の様に暴れたり職員に噛みついたり(比喩じゃなく物理です。本当に動物のように噛みついてきます。)、あるいは汚物をしょっちゅう漏らしたりする、ましてペットのような可愛げがあるわけでもない、そんな人たちの世話を必死にやっても低収入なのです。そんな状況に置かれれば、障害者への憎悪が宿って精神を病んでもおかしくありません。ですから、そういう介護現場の悲惨な現状を放置した社会にも大いなる責任があると思います。植松一人を断罪したところで、介護現場の待遇がこのままではいずれ第二第三の植松が出てきます。

 

 これは私の体験ですが、実際に特殊学級で一番割を食うのは、軽度の児童・生徒です。というのも、重度のクラスメイトが喚いて暴れたり、あるいは直接暴力を振るわれた時、軽度の人がそれを注意あるいは反撃すると、何故か軽度の生徒の方がより教員に怒られ、ペナルティを喰らいます。こういう時の軽度の児童・生徒は黙って耐えるしかないのです。教員に被害を訴えた場合、聞いてくれる教員と、そうでない教員がいます。

 

 だからといって、特殊学級や特別支援学校の教員を悪者と思わないでください。彼らも大変なのです。教員ということもあって、介護現場よりははるかにマシな給料は出ますが、それでも暴れる障害者を抑えたりしなくてはならないのです。実際、私の特殊学級時代の担任にも、体が大きく力もある重度知的障害者を抑える時に噛まれたりして、腕に歯型が残ってしまった先生がいました。介護現場よりマシな給料とはいえ、なかなか大変な仕事です。

 

 そういった社会の闇を知らずに、大人になってから発達障害診断を受けて「よっしゃー!」と喜んでいる人たちを見ると、違和感を禁じ得ません。確かに障害者手帳等でバス料金や観光施設の入場料が安くなる等のメリットはあります。ですが、メリットだけではありません。上で述べたような重度の知的障害者と同じ括りで見られ、多かれ少なかれ偏見に晒されるのは事実です。さらに言うと、障害年金も必ずもらえるとは限りませんし、一定以上の収入(副業等をしている人はそれを含む)があると制限がかかりますので、期待しすぎない方がいいです。

 

 さらに言うと、障害者雇用に就職した場合、給料は健常者の職場と比べて大幅に低くなります。確かに健常者の職場よりも障害に対する理解があるので働きやすいですし、ブラック企業のようにこき使われる可能性も低いです。しかし、障害年金の収入を除くと、年収が200万円を下回ることも珍しくありません。極端な例だと、2つ目にあげた動画のように月2100円というところもありますが、それはB型作業所といいます。なぜこのように人権を無視したようなことが許されるのかというと、B型作業所は職業訓練としての意味合いが大きいため、給料ではなく「工賃」として支払われるのです。実際、動画に映っている障害者は、この給料が当たり前だと信じて疑わなかったのでしょう。おいたわしや・・・。

 

 え?「こんなの重度の知的障碍者だけが行く施設だろ?」と思ったそこのあなた。甘い甘い!十分に意思疎通が出来て、ネットに普通に書き込み出来る知的レベルでもB型作業所に行くことは十分あり得ます。例えば、うつ病等の二次障害で社会不適応を起こし、働けなくなればB型作業所で働くことになるパターンもあります。実際なんJでも時折、B型作業所に通っているなんJ民が悲惨な現状を吐露するスレが立つことがあります。また、レスバトルでニートと煽られたなんJ民が自らの給与明細を晒したところ、一か月の手取りが8000円の工賃だったため、その後周りのJ民が憐れんで優しくなったということもありました。(詳しくは「一日一食ガイジ」で検索してみてください)

 

 どちらにせよ、障害者雇用で働く男性は「子供部屋おじさん」にならざるを得ないケースが多いため、男女交際がしづらくなりますし、まして結婚なんて夢のまた夢のそのまた先のさらに先の夢になります。何しろ、4℃(自分はこのブランド自体例の騒動まで知りませんでした)というブランドさえ、チープだとして晒上げる女性やそれに共感する女性が多い時代です。この不景気でもなおそうなのですから、発達障害認定を受けて、障害者雇用になった男性は、もう男女交際も結婚も諦める他ありません。私も諦めてます。

 

 女性の場合は、余程のことがない限り「理解ある彼くん」をゲットできる可能性が高いので、発達障害者として生きていく時のデメリットは男性ほど高くはありません。しかし、その理解ある彼くんがDV彼氏に豹変してしまう可能性もありますし、同じ女性から陰湿ないじめを受けるリスクもグンと増大します。特に女性は男性以上にコミュ力重視なので、同性からの迫害には要注意です。

 

 ただし、一人暮らしに関しては、グループホームNPO法人等が運営する障害者向けの寮)などに入れば障害者雇用で働いていても実現出来るかもしれません。しかし、どこの施設も定員がいっぱいなケースが多いので、そう簡単には入れません。

 

 長々と語りましたが、大人になってから発達障害になるということ、障害者雇用で働くというのは決していいことばかりではありません。当記事に貼った動画のような「体はデカくても2、3歳程度かあるいはそれ以下の知能で、すぐ暴れたり噛みついたりし、トイレに行かずに排せつしてしまうこともある」重度知的障碍者と同じ括りで見られることもありますし、今まで仲が良かった人が離れて行ったり、障害者雇用に転職したことで給料が低くなり、こどおじ化を余儀なくされたりすることもあります。ですので、大人になってから発達障害診断を受けた方、あるいはこれから診断を受けようと思っている方は、それを公表するかどうかを今一度慎重に考えてください。あなたの一生を左右します。